パワハラしやすい人の15の特徴と対処法

 

パワハラ被害にあってしまうと、精神的にも肉体的にも大きなダメージを受けてしまいます。

常に上司の顔色をうかがいながら、ちょっとでもミスをすると罵倒される……。

そんな憂鬱な職場環境では、仕事の効率もどんどん悪くなってしまいますよね。

だからこそ、パワハラ行為をしやすい上司の特徴を事前に把握しておくことで、

  • そもそもパワハラ行為の対象にならないようにする

  • パワハラ行為を受けた時の対処法を理解しておく

このように、自分の身を自分で守ることが重要です。

そこでここからは、パワハラ行為をしやすい人の特徴と、パワハラのターゲットにされてしまったときの対処法について詳しく解説していきます。

現在の職場環境でパワハラに悩んでいる方や、自分の身の回りにパワハラで苦しんでいる人がいるという方は、悩みの種となっている上司に当てはまるかどうかを想像しながら読み進めてみましょう。

特徴を理解すれば、効率よく対処できるようになりますよ!

 

パワハラしやすい人・上司の15の特徴

まずはパワハラ行為をしやすい人・上司の特徴をチェックしていきましょう。

今はパワハラとまではいかなくとも、エスカレートしていくことでパワハラに発展する人には、心理的・性格的な共通点があるケースが多いです。

ここでは、こういった共通点を15の特徴として、まとめてご紹介していきます。

1.いつも偉そう・言葉遣いが荒い・怒りっぽい

パワハラ行為をする人は、そもそも言動や考え方が荒々しいケースが多いです。

  • なんとなく偉そう

  • 上から目線の発言ばかり

  • 普段から言葉遣いが悪い(「クソ!」「アホ」「てめぇ」など)

このように、直接的にパワハラのような攻撃的な対応を受けていないとしても、日常的な言葉や態度が高圧的な人はパワハラに発展する可能性があります。

「運転中に性格が変わる」人はDV(家庭内暴力)をしやすい、なんていう言葉も耳にしたりしますが、パワハラもこれと同じ。

心が穏やかな人とくらべ、偉そうな人や言葉遣いが悪い人には注意するようにしましょう。

また、穏やかそうに見える人でも、ちょっとのことでスイッチが入ったかのように怒る人には要注意!

怒りの沸点が低すぎる上司も、もし自分がターゲットになってしまえばパワハラ被害に悩まされる可能性があります。

2.責任感がない・仕事に対して不誠実

パワハラ行為をする人は、仕事への向き合い方が不誠実である場合があります。

なぜなら、仕事そのものにストレスを感じてしまうケースが多いから。

パワハラ行為をする上司の心理として、部下やターゲットとなる相手にイライラや怒りをぶつけることでストレスを発散しているのです。

では、なぜストレスがたまるのか?

それは、仕事そのものがストレス要因になっているから。前向きな気持ちで誠実に仕事と向き合うのではなく、嫌々業務に追われていると感じるためにストレスを感じてしまう人が多いです。

だからこそ、部下に当たり散らしたり、仕事を押し付けることで少しでも楽をしようとする傾向があります。

責任感がないくせに、偉そうにふるまうような上司ほど、パワハラをする可能性が強いため注意しましょう。

3.常にイライラしている・ストレスをため込んでいる

先ほどの「責任感がない」という特徴でも触れましたが、パワハラ上司は過度のストレスを感じており、それを周囲にぶつける傾向があります。

  • いつもなんとなくイライラしている

  • 疲れている”オーラをかもし出している

  • ストレスをため込んでいる

  • 近寄りがたい雰囲気が漂っている

このような上司には要注意!

一度でもターゲットになってしまえば、上司のストレス発散に付き合わされることに……。

部下に八つ当たりをすることでストレスを発散するなんて、そのターゲットにされた方は心理的に大きな負担ですよね!

理不尽な八つ当たりも立派なパワハラ行為です。

4.嫌なことを部下に押し付ける

暴言や暴力など、目に見える八つ当たり行為があれば声を大にして「パワハラを受けている!」といえますよね。

しかし、パワハラに当たる行為は暴言・暴力だけではありません。

  • 嫌な仕事、めんどうな作業ばかりを部下に押し付ける

  • 仕事のミスを部下になすりつける

  • 明らかに残業が必要な仕事量をまかせっきりにする

このような行動が目立つ上司は、徐々にパワハラ行為へとエスカレートする可能性があります(場合によっては上記の行為もパワハラに該当します)。

嫌な仕事ばかりを部下に押し付ける上司がいたら、距離感に十分注意しましょう。

また、明らかに自分のキャパシティをオーバーするような業務を押し付けられることが続いたら、それはすでに明らかなパワハラ行為に当たります(過大な要求型パワハラといいます)。

1人で抱え込みすぎず、本記事後半で解説する対処法を参考に、早めに対策を取ることを心がけましょう。

5.プライドが高い・自己顕示欲が強い

パワハラ上司にありがちなのが、無駄にプライドが高く自分の地位や立場ばかりを気にするという特徴です。

自分のプライドや立場を傷つけられた!と感じると、堰を切ったように怒り狂ったり、我を忘れてイライラをぶつけたりすることも……。

また、あからさまな叱責だけではなく、陰湿な嫌がらせを受け続けてしまうケースもあります。

  • 自分をよく見せたい

  • 自分の地位や名誉、肩書きを何よりも大事にしたい

このような思考回路を持っているため、自分よりも立場の低い人に対してのみ、異様に強気な態度を取ることもあります。

お世辞が苦手な人や誰かに頼るのが下手な人ほど、弱気な姿勢をくみ取られてしまうと、パワハラの格好のターゲットにされてしまうことがあるため注意しましょう。

6.上司に対しておとなしい・媚びを売る

パワハラ行為をする人の多くは、自分よりも下の立場の人(部下、一部の同僚など)をターゲットとすることがほとんど。

反対に、自分よりも上の立場の人の前では急におとなしくなる場合が多いです。

先ほどの自己顕示欲や、この後にご紹介する「権力志向」とも関係しますが、自分にとってプラスとなり得る相手にはとことん媚びを売ることも。

出世思考が強い上司ほど、目上の人に媚びを売りながら、自分の手柄をあげるために部下をこき使うケースが多いです。

一方、出世も望めないような無能な上司の場合、ただその場をやり過ごすためだけに上司にへこへこし、そのストレスを部下にぶつけるパターンになりがち。

前者の場合は、自分自身にとっての仕事へのやりがいや成果につながることもありますが……。

後者の場合はただただ理不尽にやつ当たりをされているだけであって、何の生産性もありません。

無能な上司が他人の足を引っ張る、いわば“質の悪いパワハラ”の代表例だといえますね。

7.自己中心的・支配欲が強い

パワハラ行為をする人は、自分の部下を思い通りに動かそうとする自己中心的な考え方を持っているケースが目立ちます。

自分の意思に反する行為は許しがたく、強い口調で叱責する・罵倒するなどの行動を取りやすくなります。

支配欲が強く、自分の知らないところで物事が勝手に進むこともあまり好ましく感じません。

そのため、

  • 部下を監視する

  • 執拗に報告や連絡を要求する

  • 報告漏れに対して過剰に激怒する

  • 部下の考えや意見を聞こうとしない

このような行動を取りやすいのが特徴です。こういった上司の場合、自分の指導方法が間違っていることに気が付きにくい、という負の連鎖に陥ることも……。

自分の指導方法は間違っておらず、むしろ業務遂行にあたって不可欠な行動だと信じ込む傾向があります。

物事のすべてが自分中心であり、自分の行動が間違っているとは微塵も思いません。

厄介なパワハラ上司の代表ともいえ、このタイプの相手からパワハラを受けた場合は、本人・第三者を納得させるだけの証拠をしっかりと集めることが重要になります。

8.権力志向が強い・とにかく野心家

自分や他人を肩書きで判断するようなタイプの上司は、納得のいく権力を手に入れるためなら手段を選ばないケースがあります。

部下のミスによって自分の評価が下がることを極端に嫌うため、少しでもそのような可能性を感じた場合、対象となる部下を徹底的に弾圧することも……。

わずかなミスさえ許さず、保身や出世のためにすべての部下に自分と同じだけの能力・成果を求めます。

能力の高い部下は自分の右腕として優遇する一方で、「仕事ができない」というレッテルを貼られてしまうと、執拗に注意を受けるなどの被害に苦しめられる可能性も。

えこひいきをする厄介な上司はこのタイプに当てはまることが多いです。

9.完璧主義・神経質・心配性

完璧主義すぎる上司も、先ほどと同様に部下の仕事内容に事細かに文句をつけてくることがあります。

自分の求めるクオリティやスピード感を当たり前のように他人に要求するため、わずかなミスや仕事の遅れを許しません。

他人の成長を促すような声かけも一切せず、ただただ不足した部分だけを執拗に指摘し続ける場合もあります。

また、このタイプの上司は「部下を信頼する」「仕事を任せる」など、自分の監視の目から離れるような行為が極端に苦手。

すべての業務に対し、自分が納得できなければ気が済まないため、小言やねちねちとした陰湿な嫌味が多くなりがちな傾向にあります。

  • 締め切りやノルマにはまだ十分余裕があるのに、しつこく進捗状況を確認する

  • 些細なミスや、業務とは直接関係しないような細やかなことまで指摘してくる

  • 上司の求めるクオリティに達しないと「ダメな人」というレッテルを貼られる

  • 一度でもミスをすると、しばらくの間、監視の目が執拗に強くなる

これらに該当する場合、自分を仕事ができる人だと勘違いしている厄介なパワハラ上司だといえるでしょう。

10.成果や数字ばかり求める

先ほどの「完璧主義」にも通じますが、仕事に関するすべての事柄を成果や数字でしか判断しない上司も、パワハラ加害者になる可能性があります。

過度な成果至上主義タイプの上司の場合、その結果に至るまでの努力や過程、仕事に取り組む姿勢や熱意など、数字では表せない部分についてまったく見向きもしません。

もちろん仕事に取り組むうえで結果を出すことは大切なことですが、そこに至るまでの努力量や前向きさは、その後の成長を左右する重要なポイントですよね。

今後の成長への期待などまったく関係なく、その場その場の成果のみにしか着眼しない上司ほど、結果が思わしくなかったときにパワハラ行為に及ぶ危険性があります。

理想の上司ほど、結果だけではなく見えない部分の努力に気が付いてくれるもの。

成果至上主義の考え方も時には必要ですが、

  • あまりにも結果だけを追い求めてすぎる

  • 数字だけを重視し、“人”をまったく見ていない

  • 長い目でみる、成長に期待する、結果が出るようフォローするなどの意識がまったくない

このように偏った傾向が強い上司とは、関わり方に注意したほうがいいでしょう。

11.臆病者・小心者・コンプレックスを抱えている

暴力・暴言などは、他人から自分を強く見せようとした結果の行動です。

裏を返せば、相手を抑圧するような行動を取る人ほど、臆病者・小心者であるケースがほとんど。

仕事や自分の能力に対してなんらかのコンプレックスを抱えており、その弱点を悟られないようにするために高圧的な態度を取ってしまうのです。

自分よりも低い立場の人にだけ攻撃するのはこのため。

能力のある上司は、パワハラ行為などで相手をコントロールせずとも自然と部下の信頼を集められますよね。

  • 仕事に対して自信がない

  • 部下から「ダメな上司」と思われたくない

  • 自分のコンプレックスに気付かれることに恐怖感がある

このように、やや仕事に対してネガティブな側面を持つ上司ほど、パワハラ行為という手段を選びやすくなります。

12.嫉妬深い

パワハラ行為をする人は、他人に対して強い嫉妬心を抱えているケースが多いです。

他人の成功や成果を素直に喜べないばかりか、部下が周囲からどのように評価されているのかさえ執拗に気にすることも。

部下が仕事で成果をあげたとしても、その結果に対して嫉妬し、手柄を自分のものにしようと画策します。

  • 仕事の成果を横取りする

  • めんどうな仕事は部下に押し付け、評価されるべき項目は自分を執拗にアピールする

  • 部下が周囲から評価されるのを好ましく思わない

このような傾向に当てはまる場合、嫉妬心がエスカレートしてしまうと、

  • 理不尽な内容で叱責される

  • 成果をあげられないよう満足のいく仕事を振ってもらえない

  • 陰湿な社内いじめのターゲットにされる

などのパワハラ被害を受けてしまう可能性も……。

嫉妬心はどんな人の心にもありますが、黒い感情がそのまま表面化するようなタイプの上司には十分注意するようにしましょう。

13.独りぼっち・孤独を抱えている

パワハラをする人の周囲からは自然と人が離れていきます。

強い権力に媚びを売るような取り巻き(一部の部下)が近くにいるケースもありますが、それも人間同士の信頼で成り立つような関係ではありません。

権力に引き寄せられるた浅い関係性です。

権力や暴力、パワハラ行為によってできあがった関係性ほど希薄なものはありませんよね。

パワハラをするような上司も心の内ではそれに気が付いていることが多く、孤独感を抱えていることがあります。

そのさみしさを補うために、より一層の権力志向や成果至上主義に走ったり、孤独を気が付かれないようにするために高圧的に振舞うことも。

独りぼっちの寂しさを八つ当たりするように、直属の部下にほど厳しく当たる傾向もあります。

14.人格を軽んじる・一人を執拗に攻撃する

人前で強い口調で叱責をくり返したり、人格を否定するような発言を平気でする人は、相手の立場に立って物事を考えることが極端に苦手なケースが多いです。

自分の投げかける発言や言動が相手の心をどう傷つけるか、そもそもこのような考えに至りません。

立場や肩書きにばかり気を取られ、「自分の部下=自分よりも下の人間」という間違った認識をしてしまうことも……。

その結果、まるで自分の所有物かのように

  • 仕事内容にかかわらず、人格そのものを否定するような発言をくり返す

  • 個人のプライベートな部分にまで平気で侵食してくる

  • 自分が相手を傷つけていることに気が付かない

このような事態を引き起こしてしまうのです。

また、こういったタイプの上司の場合、パワハラ行為のターゲットとなる相手を絞り込む性質があります。

目をつけられてしまった1人を執拗に攻撃し、傷つけ、相手の尊厳を完全に無視する行動をくり返すケースも。

もしターゲットにされてしまった場合、上司の人間性が改善することはない!と自覚し、自分の身を守るためだけに早急に対応することが大切です。

15.自分の弱さを人に見られたくない・心が弱い

パワハラ行為をする上司は、弱さの塊のような人間です。

立場や権力を盾代わりにし、暴力や暴言で相手を押しつぶすようなことはあってはなりませんよね。

これは常識的なことであり、誰もが理解しうる道徳的なこと。

しかしパワハラ被害者はいなくなりません。

それはなぜか。パワハラ行為とは、自分の弱さを隠そうとする上司の“心の弱さ”から生まれるものだからです。

パワハラをする上司とは、これまでにご紹介してきたさまざまな側面での“弱さ”を抱えているケースがほとんど。弱さを隠すために、権力や暴力におぼれてしまうのです。

そんな相手からの理不尽な行動によって、自分の心が傷つけられてしまっていいはずがありませんよね。

だからこそ、パワハラに屈するのではなく、毅然とした正しい対処法を身につけておくことは非常に重要なことだといえます。

 

そこでここからは、上記のような特徴をもつパワハラ上司への対処法について解説を進めていきましょう。

  • 現在、職場でのパワハラ被害に悩んでいる方

  • これってパワハラ?という微妙な抑圧に苦しんでいる方

  • 今後のために対処法を身につけておきたい方

上記にひとつでも当てはまる方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

 パワハラのターゲットにされてしまったときの対処法15選

もしパワハラの被害にあってしまったらどうするべきか、あなたはすぐに回答できますか?

高圧的で常軌を逸するような行動を取る上司だからこそ、対処法を間違えてしまうと、さらにパワハラをエスカレートさせることにもなり兼ねません。

また、対処が遅れてしまえば、それだけ自分自身が肉体的・精神的に大きなダメージを追ってしまうリスクもあります。

そこでここからは、

  • そもそもパワハラのターゲットにならないようにする

  • パワハラ被害を最小限に食い止める

  • 後々で後悔しないために今できることに最善を尽くす

これらを目的とし、今すぐに取るべき対処法を15のポイントにまとめてご紹介していきます。

自分は今、何をすべきなのか?

これを想像しながら、必要であればメモを取りながら読み進めてみてください。

オドオドしない

もし攻撃的なパワハラ体質の上司のターゲットにされてしまった場合、決してオドオドしないよう心がけましょう。

上記の特徴の中でもくわしく述べましたが、パワハラ体質の上司は

  • 自分よりも立場が低い

  • 弱い

  • 攻撃しても問題ない

と判断した相手にしか攻撃しません。自分よりも下の人間に強い態度をぶつけることで、ストレスをぶちまけたり、自分の優位性を周りに示そうとします。

つまり、仮に攻撃されてしまったときにオドオドとした態度を見せてしまうと、相手はあなたに対してより一層攻撃的になる危険性があります。

一度「こいつは攻撃しても大丈夫」というレッテルを貼られてしまうと、それを改善するのは至難の業……。余計な労力が必要になってしまいます。

もしパワハラ行為を受けたとしても、それに屈することなく平静を装うことで、その場限りの迷惑行為にとどめることができますよ。

毅然とした態度で向き合う

先ほどの「オドオドしない」の部分とも重なりますが、パワハラ行為を受けてしまった場合は毅然とした態度で向き合うことが重要です。

理不尽な内容で叱責された場合、相手の意見を尊重しつつ、自分の意思をはっきりと示すこともときには効果的。

また、上司ではなく同僚や部下からのいやがらせ行為を受けてしまった場合は、対等な関係性であることを忘れずにまっすぐぶつかってみてもいいでしょう。

ただし、

  • 相手のプライドを傷つける言動

  • 逆ギレに近い反論

  • 相手の意見を聞き入れない態度

このような行動は火に油を注ぐことになり兼ねません。

毅然とした態度を意識しつつ、相手の立場や性格などを冷静に判断することも重要です。

やや難しく聞こえますが、押さえておきたいコツは

  • 相手の意見に対してまず同意する

  • 必要であれば反省の意を示す

  • そのうえで、論理立てて自分の意見を述べる

あくまで冷静に。これが大切です。

期限のいい日を見極める

パワハラ行為を取りがちな上司の多くは、自分のその日の気分によって周囲への態度が大きく変わる傾向があります。

期限がいい日であればなんともないような報告内容でも、期限が悪い日に当たってしまうと、重箱の隅をつつくような陰湿な指摘をくり返される……。

このような苦い経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?

こういったタイプの上司に対しては、常にアンテナを張っておくことをおすすめします。

  • 朝の挨拶、声のトーン

  • 表情

  • ため息の数

  • 他の社員に対する口調、態度

などなど、細やかな変化に気がつけるよう、相手の期限を見極めてみましょう。

もし「今日は期限が悪そうだな」と感じたら、必要最低限の報告や業務にとどめ、なるべく関わらないのが鉄則!

また、些細なミスでもこの世の終わりのように責め立てられる可能性もあるため、小さなミスにも気を配るよう注意しましょう。

相手の地雷スイッチが見極められるようになると、パワハラ上司との距離感をうまく図れるようになりますよ。

指示内容を明確化しておく

パワハラ上司と対峙する場合、どんなに些細な内容だとしても、相手からの指示内容はしっかりと明確化しておきましょう。

パワハラ上司の特徴として、自分にとって都合の悪い事柄はすべて部下の責任としてなすりつけることがあります。

もちろん、どんな相手と仕事をするにしても、ミスを最小限に抑えるためにしっかりと指示内容を確認することは重要ですよね。

しかし、パワハラ上司とのやりとりの場合は通常よりもさらに念入りにチェックするべき。

  • 明らかに上司からの指示が不足していた、間違っていた

  • 双方の認識のちがい、連携ミス

いずれの場合だとしても、後々になってミスが発覚した場合に100%あなたの責任になることは間違いありません。

それどころか、「仕事ができないやつ」というレッテルを周囲にアピールすることで、自分のメンツを保とうとするケースも……。

理不尽な上司の保身に巻き込まれてしまうのは避けたいですよね。

だからこそ、厄介な上司からの指示を受けた場合は、

  • 「○○という認識でお間違いないですか?」などと必ず再確認する

  • 目立つところにメモを取っておく

  • 進展状況を細かく報告・確認する

など、ミスや認識のズレを生じさせない工夫をするよう心がけるといいでしょう。

確認をしっかりとる

上記の「指示内容を明確化する」にも通じますが、パワハラ行為をする相手に対しは、これでもか!というほど入念に確認を取ったほうが安心です。

細かく確認する習慣をつけることで、相手の「俺はこういったはずだ!理解できないお前が悪い!」という理不尽な押し付けを未然に防げるようになりますよ!

これは業務内容にとどまらず、普段のなにげない会話も含まれます。

  • 自分が担当する業務の範囲

  • 請け負った仕事の期日、報告頻度

  • 取引先の担当者の情報、注意点

  • 関与している他部署の関係者リスト

などなど、「聞かなくてもわかるだろ!」と言われてしまうようなことでも、迷ったら必ず確認するべき。

「また嫌味を言われそうだから……」などといったネガティブな気持ちが先立ち、確認自体を億劫に感じる気持ちもわかります。

が、もし確認不足が原因でミスが生じた場合、「お前はこんなこともわからないのか!」「役立たず!」など、パワハラ上司の逆鱗に触れるリスク大……。

また、本来は上司が取り組むべき業務内容まで、いつの間にか押し付けられているケースも多々あります。

上司から都合のいいように扱われたり、責任を転嫁する格好のターゲットにならないよう、何事も“確認”を徹底するという点に注意しましょう。

自分の言葉遣いに注意する

パワハラ上司から理不尽な発言を浴びせられると、誰しもついついイラっとしてしまいますよね。心の中のモヤモヤとして感情を押し殺すのは、誰にとっても大きな心理的ストレスになります。

ですが、そういったイライラが言葉や態度に出てしまうのは、相手のパワハラを増幅させてしまうリスク大!!

パワハラ行為をするような相手を刺激しても、こちらにとっては何のメリットもありません。しかし、ついつい

  • 「すみませんって言ってるじゃないですか!」

  • 「言っていることがよく分かりません」

  • 「わかりましたよ!」

  • 「はぁ~……(ため息)」

このように、自分のイライラを相手が感じ取ってしまうような言葉遣いになってしまう人も。

これは絶対にNG

高圧的な言動で相手を支配しようとする傾向が強いパワハラ上司は、こういった態度に非常に敏感です。

自分の思い通りにいかない、相手がまったく納得・反省しているように思えない、などと感じてしまうと、まさに火に油を注ぐ展開に発展してしまいます。ひどい場合、

  • 目をつけられてしまい、すべての業務を監視される

  • 残業しなければ終わらない量の仕事を押し付けられる

  • 周囲から孤立させ、職場環境を乱す

  • 権力を駆使し、人事などに圧力をかける

などの行動へとエスカレートしてしまうリスクがあります。どんなに理不尽だとしても、自分の言葉遣いや態度で不用意に相手を刺激しないよう注意しましょう。

報告の順番に気を付ける

複数のメンバーでチームを組んだり、1つのプロジェクトに大勢の社員が関わる場合などで注意するべきなのが、『報告の順番』についてです。

複数の上司への報告義務が生じた場合、どの順番でどんな内容を報告するかをよく考えるようにしましょう。

間違っても、プライドの高いパワハラ上司を差し置いて、別の上司に先に報告してはいけません。

あなたにとっては大きな意味を持たない報告順序だとしても、

  • 人から認められたい、よく思われたい

  • 承認欲求が強い

  • プライドが高い、自分の肩書きにこだわる

などの傾向を持つパワハラ上司の場合、自分をバカにされたような気分になってしまう可能性があります。

やや面倒に感じることもあるでしょうが、部下や社員を“支配したい”と感じている上司に対しては特に、報告の順序を意識してみてください。

上司の立場も配慮する

高圧的な態度で部下をコントロールしようとする上司に対しては、あえて上司の立場に理解を示すことも有効な対処法のひとつです。

攻撃的な態度で接してくる相手である分、なかなか同調するのは難しいかもしれませんが……。

パワハラ行為をする人の多くは、「自分を認めてほしい」という承認欲求を胸に秘めています。

このため、さらに上の上司(幹部)からもたらされるストレスを部下にぶつけてしまうことも。

そんな相手の立場を少しでも理解し、

  • 頼りにする

  • ストレスを理解する

  • 尊敬する(ふりをする)

などといった対応を取ることで、相手の機嫌を取りやすくなりますよ。

とはいえ、本当に頼る必要はありません。必要最低限の距離感は保ちつつ、どうしてもかかわる必要がある時のみ、自分の言動を意識してみるといいでしょう。

素直に指導を聞き入れる(ふりをする)

強い口調で指導を受けたとしても、まずは素直に指導内容を聞き入れた、という態度を示しましょう。

そこで反論してしまったり、「ウザい」と相手に伝わってしまうような態度を取るのはリスク大!いつまでも執拗にグチグチと文句を言われ続けることになり兼ねません。

その場をやり過ごす意味でも、まずは素直な態度で向き合いましょう。

ただし、言われっぱなしでは「何を言っても問題ないやつ」というレッテルを貼られてしまう可能性も。

  • 限度を超えた強すぎる叱責

  • 人格を否定するような発言

  • 業務とは関係ない内容に対する非難

これらはすべてパワハラ行為に該当します。このような理不尽な行為に対してただただ受け身になるのではなく、しっかりと対応することも重要です。

そういった場合は、下記で紹介する「証拠を集める・嫌がらせを記録しておく」の部分を参考にしてみてください。

また、くり返し過度の叱責を受ける場合、第三者となる同僚や部下、別の上司などにそっと相談しておくのもあり。

自分で記録を残すだけでなく、第三者の目撃談も集めておきましょう。

感情的にならない

人格を否定されたり、過剰な暴言を受けた場合、どうしても感情的になってしまうことがあります。

確かに、パワハラ上司に言いたい放題・やりたい放題させてしまうのは納得できませんよね。

しかし、安易に感情的な対応を取ってしまうと、自分に対するデメリットも大きくなります。以下の例をみてみましょう。

  • 感情的に言い返してしまい、より一層パワハラ指導が悪化する

  • 目をつけられてしまい、職場に居ずらい空気感を作られてしまう

  • 事あるごとに文句を言われる

  • パワハラ行為を訴えた場合、自分にも非があると思われてしまう

感情的なパワハラ行為に対して、同じように感情的に対応してしまっては、立場が上である上司に勝てるはずがありません。

感情的になってしまう気持ちは非常によくわかりますが、できる限り冷静に対応できるよう注意しましょう。

もし、感情的な反論をしてしまった場合は、

  • その行動に至った経緯

  • 上司からどんなパワハラ行為を受けたことで反論したのか

などを細かく記録しておくと、仮に訴訟に発展してしまった場合に有利にはたらく可能性があります。

自分の仕事スキルを高める

職場でのパワハラ行為の多くは、優秀な社員よりも「仕事ができない」「立場が低い」というレッテルを貼られてしまった社員がターゲットになりやすいです。

きっかけとなる事柄も、仕事上のミスやトラブルが引き金になるケースが多数。

よって、相手から文句をつけられないよう、自分の仕事スキルを高めることも非常に有効な対処法だといえるでしょう。

スキルアップができれば、

  • パワハラのターゲットになりにくい

  • そもそもミスが少なくなり、指導を受ける機会が減る

  • 上司と対等にかかわれるようになる

などなど、良いことずくめ。場合によっては、実力次第で上司を追い抜くことだって不可能ではありません。

パワハラという負の行為をパワーに変えて、自分の成長へのエネルギーにしてみてはいかがでしょうか?

スキルアップに向けて仕事に取り組めば、パワハラをするような器の小さい上司ではなく、ちがった面で評価されるチャンスにもつながります。

ただし、これは心にエネルギーが残っている人の対処法です。

パワハラ行為に疲弊してしまい、心がSOSサインを出している場合は、この対処法は向きませんので注意してください(「自分の健康を最優先に」を参照)。

別の上司やパワハラ相談専門機関へ相談する

特定の上司からのパワハラ行為に悩んだら、1人で抱え込まずに第三者へ相談することも重要です。

パワハラ行為をする上司は、自分の立場を守るために、自分よりも上の立場の人からの意見は素直に聞き入れる可能性が高いです。

信頼できる上司がいる場合、思い切って相談してみてもいいでしょう。ただし、

  • 対処法がわかっていない上司の場合、ただの注意で終わってしまうことも

  • 告げ口したことが伝わり、よりパワハラ行為が激化するリスクも

  • あなたの意見よりもパワハラ上司の意見を重要視されてしまうケースも

このようなリスクも考えられます。よほど信頼できる相手出ない限り、安易に相談しないほうが無難であるともいえます。

これを踏まえ、できれば相談先はパワハラ専門の第三者機関を選びましょう。

専門機関ならパワハラ行為への専門的な対応が期待できるうえ、相談者のプライバシーは徹底的に保護してもらえます。

自分の今後の立場を保証してもらえるケースも多いため、1人で解決しようとせず、思い切って相談してみましょう。

証拠を集める、嫌がらせを記録しておく

悪質なパワハラ行為が常態化している場合や、ターゲットにされたことでくり返し嫌がらせを受けている場合は、すべての迷惑行為をしっかりと記録しておくことが何よりも重要です。

仮にパワハラ行為に対する訴訟(裁判)を起こすことになった際、証拠が残っていなければ勝ち目はありません。

どんなに悪質な嫌がらせを受けていたとしても、第三者にその内容が明確に伝わる必要があるのです。

だからこそ、

  • 暴言、権力を振りかざした脅し、名誉を傷つける発言などを録音しておく

  • 暴力や悪質な嫌がらせを受けた証拠を写真に残しておく

  • 日記をつける(日時や時間、周囲の状況までなるべく細かく)

このように、なんらかの証拠を集めておく意識が非常に重要!

泣き寝入りすることなくパワハラ上司に立ち向かうためにも、自分の身を自分で守るためにも、記録を残すのを忘れないように注意しましょう。

具体的な裁判例については、厚生労働省が運営する『あかるい職場応援団』のページ内で自由に閲覧することが可能です。

  • パワハラの裁判って、被害者が勝つのは難しいんじゃないの?

  • 証拠って、具体的にどんなものが採用される?

  • そもそもパワハラって、具体的にどこから?

このような疑問を感じている方は、下記のサイトをあわせてチェックしてみるといいでしょう。

参考サイト:『あかるい職場応援団』裁判例をみてみよう

自分の健康を最優先に

パワハラ行為に対する対処法をさまざまな角度からご紹介してきました。が、なによりも大切なのは『自分自身の健康』『命』です。

パワハラ被害者の方の中には、仕事に追われすぎてしまったり、パワハラ上司のせいで精神的に疲弊してしまうケースも……。

しかし、理不尽なパワハラ行為のせいで、自分自身を傷つけてしまうなんてことがあっていいはずがありません。

パワハラ行為にうまく対処することはもちろん重要ですが、最優先に考えるべきは『自分自身』である、という点は忘れないようにしましょう。

  • 仕事のこと、上司の顔が頭から離れない

  • 休日も心が休まらない

  • 夜、うまく眠れない

  • 仕事のことを考えるだけで体に不調を感じる

  • パワハラ問題が解決する未来が予想できない

当てはまる数が多い人ほど、自分の心が「SOS」を発信している可能性大!

もし、危険信号を感じたら、

  • 仕事を休む(有休を消化する)・ゆっくりと休息する

  • 第三者に相談する

  • ストレスを発散する

  • 転職を検討する

などなど、自分自身のことだけを最優先に考えて、行動を変えてみましょう。

間違っても無理は禁物です!!

転職する

上記の『自分の健康を最優先に』の部分でも触れたとおり、パワハラ行為に限界を感じたら、思い切って自分をとりまく環境を変えてみましょう。

【転職】は、こういった環境変化には最適な選択肢の代表。

パワハラは、理不尽な行動を振りかざす上司の責任ではありますが、この上司になんの対応もできない会社全体の問題でもあるわけです!

  • パワハラをするような人間に役職・権限を与えている

  • パワハラを見て見ぬふりをする社風

  • 自分の出世や保身だけを考え、なんの助け船も出してくれない同僚

このような様々な負の環境に対して、自分ひとりで立ち向かうのはなかなか難しいですよね……。

だからこそ、限界を感じたら自分から転職してしまいましょう!これは決して“逃げ”ではありません。

人間関係の悩みもなく、パワハラ上司の顔色をうかがう必要もない、そんなストレスフリーな環境でなら、自分の能力を100%発揮することができますよね!

ひと昔前のような、終身雇用や年功序列といった考え方はもはや廃れてきています。自分に合った仕事や環境を求めることは、当たり前にあっていい選択肢ですよね。

つらい職場にガマンするのではなく、自分が伸び伸びと働ける職場を探してみましょう。

退職しにくいなら「退職代行サービス」を活用しよう!

転職しようと思ったとしても、

  • 退職できる雰囲気じゃない……

  • 退職を言い出したら、嫌がらせがエスカレートするのでは?

  • 上司のパワハラが怖くて退職届を提出できない

このような理由から、退職に踏み切れない人も中にはいるでしょう。そんな時は『退職代行サービス』の利用を検討してみるのがおすすめです!

退職希望者にかわり、

  • 退職の意思を会社側へ伝える

  • 退職に必要な事務手続きがスムーズにできるよう調整してくれる

などのサービスが受けられます。有休などを組み合わせれば、直接上司と顔を合わせないまま会社を退社することも可能。

精神的に追い込まれている場合や、すぐにでも環境を変えたい方にはうれしいサービスだといえますね!

まとめ

パワハラ行為をしやすい人の特徴と、それぞれの対処法について解説してきました。

パワハラをする人には、いくつかの共通点や心理的な背景があります。

そういったバックグラウンドを理解し、相手の性格に合った対処法を取ることで、パワハラ行為を回避することにつながるでしょう。

ただし、くり返しになりますが、最優先で考えなければならないのは『自分自身の健康』です!

つらい・逃げたい・辞めたいと感じたら、転職や環境変化について検討してみましょう。

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